結局どちらで読めばいい?電子書籍・紙書籍の使い分けを考える
『電子書籍』と『紙書籍』。
読書好きな方なら一度や二度、この二つを比較するテーマで頭を悩ませた経験が
あるのではないでしょうか。
よくある悩みとしては、『電子書籍』と『紙書籍』どちらがおすすめ?といった
ことを耳にします。
結論から言うと下記の二つをよく理解して、どちらも使うのがおすすめです。
- 『電子書籍』と『紙書籍』それぞれのメリット・デメリット
- 『電子書籍』と『紙書籍』の使い分け方
本記事では、↑の二つを具体的に説明し、なぜ『電子書籍』と『紙書籍』
どちらも使うのがおすすめなのかを解説します。
少し長くなりますので、時間の無い方は目次から目的の箇所へとお飛び下さい。
電子書籍・紙書籍それぞれのメリット・デメリットから使い分けを考える
まずは『電子書籍』と『紙書籍』、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
電子書籍のメリット ・デメリット
メリット | デメリット |
①いつでも購入可能 ②新刊の場合は紙書籍よりも安く買える場合がある ③保管に場所をとらない ④検索性に優れる ⑤暗いところでも読みやすい ⑥情報の整理がしやすい ⑦読み上げ機能が使える ⑧劣化しない | ①端末代として、書籍代以外のコストがかかる ②電子書籍サービスが終了した場合のリスクがある ③端末の種類と本のジャンルに相性がある ④端末によっては集中力を奪われる ⑤積読しやすい |
電子書籍 メリット① いつでも購入可能
ネット環境があれば、お店に足を運ばず、時間と場所の成約を受けずにすぐ購入する
ことが可能です。読みたいときにすぐ読めるのは良いですね。
電子書籍 メリット② 紙書籍よりも安く買える場合がある
Kindleや楽天Koboなど多くの電子書籍サービスで販売されている電子書籍は、紙書籍
と比べると若干価格が安かったり、ポイント還元がなされたりします。
本屋さんで売られている新しい本の場合は『再販売価格維持制度』という法律のもと、
どこのお店で買っても同じ価格となるようになっているので、安く買えるといったこと
は基本的にありません。
『再販売価格維持制度』とは・・
著作物の再販制度(再販売価格維持制度)とは、出版社が書籍・雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる制度です。
日本書籍出版協会のホームページより引用
詳しくは日本書籍出版協会のサイト(外部リンク)をご参照ください。
https://www.jbpa.or.jp/resale/
ただし、中古本の場合はこの法律には当てはまりませんので、
さらに安く買える可能性があります。
電子書籍 メリット③ 保管に場所をとらない
これはわかりやすいのですが、紙書籍と違って電子書籍は端末多くの本を保存できます。
端末の容量や本の種類によっても違うので一概には言えないのですが、 少なくとも数百冊
から 数千冊 程度の保存が場所をとらずに可能です。
電子書籍 メリット④ 検索性に優れる
本の中で意味のわからない単語、読めない漢字などがあった場合に端末内の辞書や
web上で検索を簡単に行うことができるのも、電子書籍の大きなメリットです。
ちなみに紙の書籍でも少し手間は掛かりますが、簡単に調べる
方法はあります。
↓の記事で紹介していますので、よければぜひ参考にしてみて
ください。
電子書籍 メリット⑤ 暗いところでも読みやすい
端末自体のバックライトで暗いところでも問題なく本を読むことができます。
電子書籍 メリット⑥ 情報の整理がしやすい
本を読んだあと私のようにブログやSNSでアップしたり、記録として残したい場合、
電子書籍の場合は端末内で、文章にハイライトやメモを残したりすることができます。
もちろん紙の書籍でも直書きや付箋を利用したりすることで同様のことは可能ですが、
その後のデータの整理、文章のコピーアンドペーストをしたい場合に、電子書籍の方
が使い勝手は良いです。
電子書籍 メリット⑦ 読み上げ機能が使える
一部のスマホやタブレットを使用して電子書籍を利用する場合、端末の読み上げ機能を利用
することで、本を目で読まずに耳で聴くことができるようになります。
手が空くので非常に便利ではありますが、反面まだまだ機械的な読み上げ音声が多いので
中身が頭に入ってきにくい場合もあるかもしれません。
そんな場合は本を耳で聴くオーディオブックなどもおすすめだったりします。
電子書籍 メリット⑧ 劣化しない
当たり前ですが、電子書籍は劣化しません。
紙の本の場合、年月とともに本の傷みや日焼けによる劣化が目立つようになります。
もちろんそれが紙書籍の味になるといった場合もありますが、劣化が気になる方に
とっては電子書籍という選択もありでしょう。
電子書籍 デメリット① 端末代として、書籍代以外のコストがかかる
『電子書籍』で本を読む場合、なにかしらの端末が必要です。
もちろん、すでにお持ちのスマホやPCでも読む事は可能ですが、読む事に特化した
端末や、タブレット端末をつかうことで、読みやすさは飛躍的に向上します。
しかし、今現在そういった端末をお持ちで無い方にとっては、新たに端末購入のコスト
が掛かることになります。
電子書籍 デメリット② 電子書籍サービスが終了した場合のリスクがある
基本的に紙書籍は物理的に手元に残りますが、電子書籍の場合はお使いのサービスが終了、
あるいはアカウント停止などの処置を受けた際に、これまで購入した書籍にアクセスでき
なくなる可能性があります。
電子書籍 デメリット③ 端末の種類と本のジャンルに相性がある
この話は後の『電子書籍』と『紙書籍』の使い分けにつながるのですが、電子書籍の
場合、使用する端末と読む本のジャンルによって読みやすさに差があります。
つまりは読みたいジャンルと電子書籍の端末に相性があり、場合によっては複数の端末を
使い分ける必要が出てきます。
それでも、紙の本を集めていくのと比べれば保管・持ち運びの
面で圧倒的に有利ですが・・
電子書籍 デメリット④ 端末によっては集中力を奪われる
これは読むこと以外の機能を持った端末を使用した場合のデメリットです。
つまりはスマホやタブレット、ノートPCから読むと、関係のない別のアプリの通知など
で集中力を奪われます。
そういった意味では、読むことに特化した端末の使用をおすすめします。
電子書籍 デメリット⑤ 積読してしまいやすい
電子書籍ならではの問題なのですが、どれだけ買ってもスペースを取られることが無く、
物理的にモノが増えたことを実感できないため、紙書籍と比べて積読してしまいやすい
ように思います。
紙書籍のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
①文章などを理解しやすい ②目にやさしい(疲れにくい) ③貸し借りが可能 ④売却することが可能 ⑥中古本での購入だとかなり安く買える | ①保管、持ち運びできる量に限界がある ②店舗などで購入の際、品切れの可能性がある ③実際に読むまでに手間がかかる ④明かりのないところで読みにくい |
紙書籍 メリット①文章などを理解しやすい
こちらはよく聞かれるかもしれませんが、『紙書籍』は『電子書籍』と比べて文章の理解が
深まりやすいとされる、研究結果があります。
↓の研究報告で、興味のある方は検索してみてください。
2012年
情報処理学会研究報告
『表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響ー電子書籍端末と紙媒体の比較』
ただ理解のしやすさは、読んだ後にアウトプットしたがどうかの影響も大きいと思うので、
そういった意味ではアウトプットに活用しやすい電子書籍にも優位性がないとは言えません。
筆者も実感として紙書籍の方が、記憶に残りやすいように思います。
あと、紙のページをめくるのも好きですし・・・
紙書籍 メリット②目にやさしい(疲れにくい)
これもわかりやすく、単純に『紙書籍』の方が目は疲れにくいです。
スマホやタブレット、PCなどを使用した場合どうしても画面の光、ブルーライトを目に
受けてしまうので目が疲れます。
目の疲れは睡眠の質にも影響するので、割と無視はできないメリットだと言えます。
紙書籍 メリット③ 貸し借りが可能
『紙書籍』は人におすすめしたいとき、本そのものを貸すことができますが、『電子書籍』
ではそういったことはできません。
家族間や身近な関係であれば端末ごと貸すことも可能かもしれませんが、スマホなどの
場合はそれもむずかしいでしょう。
貸し借りに関しては、好き嫌いは分かれるかもしれませんが・・
筆者は身近な本好きな人とのコミュニケーション手段としてアリ
かなと考えているので、メリットとしました。
紙書籍 メリット④ 売却することが可能
『紙書籍』は古本屋などに売却することが可能ですが、『電子書籍』ではそういった
ことはできません。
一旦手放すことができ、かつ現金化できるという点は非常に大きなメリットです。
特に一度しか読まない本の場合は、売却して次の本購入資金に回すことによって、
本の購入に掛かるコストを大きく抑えることができます。
紙書籍 メリット⑥ 中古本での購入だとかなり安く買うことができる
『紙書籍』の場合、『電子書籍』にはない購入の手段として、古本の購入があります。
新しい本にこだわりがなければ、圧倒的に安く買うことができ、こちらも本の購入に
掛かるコストを大きく抑えることができます。
紙書籍 デメリット① 保管、持ち運びできる量に限界がある
『電子書籍』のメリットで書いた内容と真反対になるのですが、『紙書籍』の場合は
保管、持ち運びできる量に限界があります。
いくらでも本を保管できる環境であれば別ですが、筆者のような普通のサラリーマン
宅ではそれもままなりません。
又、持ち運びに関してはどう考えても限界があります。
筆者はサラリーマンで海外出張が多いのですが、多くの本を持ち
運べる『電子書籍』には本当に助けられています。
紙書籍 デメリット② 店舗などで購入の際、品切れの可能性がある
『紙書籍』の場合、店舗やネット通販などで購入が必要ですが、必ず在庫がある
とは限りません。
特に一昔前の本などを探している時など、品切れの可能性があります。
その点、『電子書籍』の場合はラインナップにさえあれば基本品切れという事態は
ありません。
紙書籍 デメリット③ 実際に読むまでに手間がかかる
『紙書籍』の場合、この本を読みたい!と思ってから実際に読める状況になるまで、
いくつか手間が掛かります。
店舗購入の場合は移動・購入、持ち帰りの手間、ネット購入の場合は自宅に届くまで
に時間が掛かるなど、読みたい時にすぐ読めない点がデメリットとなります。
紙書籍 デメリット④ 明かりのないところで読みにくい
『紙書籍』を読む際に意外と困るのがこちら。
様々な暗い状況でふと本が読みたくなった時、『紙書籍』は暗い場所では読めないんです。
ちなみに筆者は携帯可能な読書灯を使うことでこの問題を解決していますが、
持ち物が増える点も含めて、やはりデメリットと言えるでしょう。
おすすめの読書灯に関して↓の記事で紹介していますので、
よければ参考にしてみてください。
電子書籍・紙書籍、使い分けのコツは書籍のジャンルに合わせること!
長々と『電子書籍』・『紙書籍』のメリット・デメリットを書いてきましたが、結局のところ
どのように『電子書籍』と『紙書籍』を使い分けるのがベストなのでしょうか?
上手く使い分けるコツは、書籍のジャンルによる使い分けを考える、です。
今まで説明してきたメリット・デメリット・自身の趣向を踏まえ、筆者は次のように本の
ジャンル区分(小説、漫画、雑誌、ビジネス書)と、『電子書籍』・『紙書籍』の使い分けを
合わせています。
あくまでサラリーマン読書人の使いわけ一例ではありますが、こちらを参考にご自分の
ライフスタイルに合った使い分けを検討されてみてはいかがでしょうか?
本記事が『電子書籍』と『紙書籍』の使い分けに悩む方への参考となり、あなたの読書
時間をより充実したものとするお手伝いとなれば幸いです。