『屍人荘の殺人』シリーズ(著・今村昌弘)|圧倒的な面白さと読む順番を紹介
“特殊設定” モノのミステリ―が結構好きで、色々な作品を読みあさっています。
その中で人に紹介する際に絶対に候補にあげるのが、本記事のテーマ・・
『屍人荘の殺人』シリーズ。
おもしろい“特殊設定” ものの小説を探しているなら、何も聞かずにとりあえず
読んでみてほしいこの作品。
ではさっそくその魅力をお伝えしていきますね。
『屍人荘の殺人』シリーズとは
2017年に第一作目が刊行された、作家 “今村昌弘” さんのデビュー作かつ人気シリーズ。
作品内に登場する“特殊設定” 、それ自体が衝撃と作品の面白味を含んでいるので、ネタバレなしだと多くは語れないのですが、とにかくその魅力的な “特殊設定” と、いわゆる王道ミステリーで用いられる設定とが見事に調和している作品です。
主な登場人物は、ある大学のミステリ愛好会に所属するミステリ好きの二人、
“明智恭介(あけちきょうすけ)”と “葉村譲(はむらゆづる)” 、そして同じ大学に通い、
ある特異な体質を持ち数々の難事件の解決に関わったと言われる美少女探偵、
“剣崎比留子(けんざきひるこ)”です。
第一作目で主人公達はある驚愕の事態と殺人事件に巻き込まれます。
事件とは別に起きる驚愕の事態を発端に、その事態に関係すると思われる、謎の組織
“斑目機関”の存在が見え隠れし、シリーズとしてはその謎を追いかける・・といった
流れです。
ちなみにシリーズはまだ未完のため、全ての謎が明らかとなっている訳ではありません。
ちなみシリーズ名称は出版元である東京創元社のサイトを見ると 主人公の一人の名を冠した “剣崎比留子シリーズ”というのが 正式名称のようです。
『屍人荘の殺人』シリーズ、読む順番
本シリーズは各作品毎に事件は独立しています。ただ物語の根底に関わる組織“斑目機関”については作品をまたがって登場するため、読む順番は以下の刊行順をおすすめします。
表紙やタイトルに巻数が含まれておらず順番がわかりづらいため、参考にしてみてくださいね。
①『屍人荘の殺人』
シリーズの第一作目にして、今村昌弘さんのデビュー作。
物語は先にご紹介した主人公の3人が、ある事情で大学の映画研究部の夏合宿に参加し、
そこで驚くべき特殊な事態と殺人事件に巻き込まれながらも事件と事態の解決を図るといった内容。
本シリーズの原点・すべての始まりなので、まずはこれから。
当然、謎の組織 “斑目機関” にも本作から登場します。
ネタバレなしで魅力を説明するのがとてもむずかしいのですが、おもしろいのは間違いないので、まずは一作目を読んでみて欲しいです。
きっと続編も読みたくなるはず・・
②『魔眼の匣の殺人』
シリーズ二作目。
前作の事件後、謎の組織 “斑目機関” の情報を追い求める中、剣崎達は“魔眼の匣”と呼ばれる元研究施設を訪れることになる。そこで“予言者”の老婆と出会い「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」との不吉な予言を受け取るが、やがてその予言は現実のものとなり・・といった内容。
③『兇人邸の殺人』
“斑目機関” の過去の研究資料が廃墟テーマパークにある“兇人邸”にあるとの情報を
つかんだ剣崎達は情報元である組織の派遣したグループと共にその屋敷を訪れる。
しかしそこに待ち構えていたのは研究資料だけではなく“首切り殺人鬼”だった。
次々と犠牲者が出る中、明らかになっていく“首切り殺人鬼”の正体とは?
2024年8月現在時点でシリーズの最新作はこちら。
④『明智恭介の奔走』※スピンオフ作品(①の前日譚)
本作品は本シリーズに登場する “明智恭介” をタイトルに冠したスピンオフ作品です。
時系列的には一作目の『屍人荘の殺人』より前の話、前日譚にあたるので他作品とは
少し雰囲気が異なります。
詳しくは語れませんが、明智さんの魅力を深く知れる作品なので、こちらも是非手に取ってみて欲しいです。
ちなみに本作は一作目さえ読んでおけば二、三作目が未読でも楽しめると思います。
『屍人荘の殺人』シリーズ、おすすめの楽しみ方
色々書きましたが、まずは刊行順に読んでみるのがおすすめです。
そしてもちろん単行本、文庫、電子書籍で読むのがおすすめなのですが、最近この記事を書くためにAmazonのAudible(オーディオブック)を使って再読してみたところ、想像していたよりはるかに良いサービスでした。
もともとAudibleは利用していましたが、主にビジネス書や自己啓発本が中心で、小説ではほとんど利用していませんでした。
実際使ってみると、朗読家さんの表現力が非常にすばらしく、紙で読むのとは全くちがった良さを楽しめます。
小説は一度しか読まない・・といった方や再読したいけど時間がなくて・・といった方にもおすすめできるサービスです。機会があればぜひ一度利用を検討されてみてはいかがでしょうか?
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最後になりましたが、本記事で『屍人荘の殺人』シリーズの魅力が少しでも多くの方に伝われば幸いです。
ではまた次の記事でお会いしましょう。