イヤミスの反対側|読後感の良いおすすめミステリー作品
ミステリーには色々種類がありますが、皆さんはどの様な読後感の作品がお好きですか?
筆者は小説ジャンルについて雑食なので、何でも来いなタイプなのですが、本記事ではいわゆる “イヤミス”と呼ばれるジャンルの正反対、読み終わった後になんとも言えない爽快感が得られるミステリー作品をご紹介したいと思います。
読んだ後『イヤ』な気分になる『ミステリー』のことで、意外に人気のあるジャンルです。詳しくは↓の過去記事をどうぞ。
ちなみにイヤミスの反対のジャンルって何て呼ぶのでしょうね?
読後感の良いおすすめミステリー作品
①『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
東野圭吾さんの作品。
空き巣を目論んだ、とある3人組が迷い込んだのは既に廃業していると思われる雑貨店。
だれも住んでいないはずの雑貨店のポストに何故か悩み相談の手紙が投げ込まれる。
そう、そこはかつてどんな悩み相談でも回答してくれる店主が住んでいた『ナミヤ雑貨店』だった。
ふとした事から『ナミヤ雑貨店』に持ち込まれる悩みに触れた3人組は、やがて思いもよらない奇蹟を目の当たりにし・・といった内容。
『ナミヤ雑貨店』を中心にした章仕立ての物語で非常に読みやすく、綺麗に謎・伏線が回収されていく心地よさと物語の結末に、得られる読後感の良さが素晴らしい作品です。
ちなみに2017年に映画化もされています。
②『カラスの親指』
道尾秀介さんの作品。
道尾さんの作品というと内容が重めの作品が多く、そういった作品しかご覧になっていない方は意外に思われるかもしれませんが、本作は “人に紹介したくなる”一作で、まちがいなく読後感が良いです。
ある過去の事件に縛られ、人生をあきらめた中年二人組の詐欺師。
細々と詐欺を働きながら生計を立てる二人の生活だったが、ある日同じような詐欺を働いている少女と知り合い、成り行きで生活を共にすることとなる。
少女の知り合いが同居人として増え、奇妙ながらも平穏な生活が続くかと思われたが、状況を一変させる事件が起こり、その事件の黒幕は過去の事件ともつながりを見せ始める。
共同生活を送る彼らに平穏は許されず、やがて彼らは過去と決別する為の計画を思いつき・・といった物語。
序盤は重めの出だしながら、魅力的な登場人物のおかげで不思議と嫌な感じは続きません。
事件、過去、そして人生逆転の為の計画など息もつかせない圧倒的なテンポで物語は進み、最後はきっとあなたの予想を裏切る結末を迎えるはずです。
こちらも2012年に映画化されています。
続編の『カエルの小指』も刊行されていますが、あくまで本作のみで一旦話は完結しており、アフタストーリーといった感じです。
続きが気になる方はこちらもぜひ。
③『名探偵のままでいて』
小西マサテルさんの作品で、第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
一言でいうと“読み味が優しいミステリー”。
小学校教師である主人公、楓の祖父はかつて小学校の校長先生だった。
現在はレビー小体型認知症という幻視や記憶障害を引き起こす病を患い、楓たち家族に介護される生活を送っている。
しかしそんな祖父は楓からの相談で 日常や事件の“謎” を聞かせられると一時的にかつての切れ者だった自分を取り戻し、謎を解き明かしていく・・といった物語。
探偵役の祖父が認知症といった一風変わった設定。
とにかく登場する人物が優しい印象で、そのおかげか読み味も優しく感じるミステリーとなっている様に思います。
こちらも続編の『名探偵じゃなくても』が刊行されています。
物語も素敵ですが一作目、二作目ともに装丁のイラストがとても素敵です。
探偵役のおじいちゃんのその後・・などが気になる方はぜひ続きもどうぞ。
最後に
“読後感の良い” おすすめミステリーの作品紹介、いかがだったでしょうか。
読後感の良い “小説” と言われると浮かぶ作品は多いですが、“ミステリー” と条件がつくと案外悩みます。
本記事が読書、小説好きな方の読書体験を向上させるお役に少しでも立てれば幸いです。
ではまた次の記事でお会いしましょう。