初心者にも読みやすい|おすすめ『館』ものミステリー|名作から最近のものまで
ミステリーと言えば『館』(やかた)、『館』といえばミステリー!
ミステリーと言われて真っ先に浮かぶ舞台はもちろん『館』ですよね!
(ちがっていたらごめんなさい・・)
身近な人におすすめのミステリー本を聞かれた時、相手が普段“ミステリー”を読まない人の場合、まずは『館』ものミステリーからおすすめすることにしています。
理由はやはり、ミステリーの舞台として王道であるがゆえに名作が多く、ミステリージャンルを普段読んだことのない方にも “とっつきやすい” と思う作品が多いからです。
言葉では説明しにくい“ミステリー”っぽさを感じてほしいというのもあるかも・・
本記事ではそんな『館』ものミステリーの中から筆者が独断と偏見で選ぶ、初心者にも読みやすいと思うおすすめの作品をご紹介します。
ミステリー初心者におすすめの『館』ものミステリー
①そして誰もいなくなった
最初にご紹介するのは、アガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』です。
普段ミステリーを読まない方でも、タイトルぐらいは聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
驚くべきは1939年にこの完成度の推理小説が世に生まれていたという事実・・
とはいえ筆者も実際に読んだのは結構最近です。
ミステリー好きの方には怒られそうですが・・
物語は、招待状によって孤島に集められた面識もない男女10人が島にある屋敷で過去の秘密を暴露されながら次々と殺されていき、やがて最後には・・といった内容。
非常にスリリングかつ分かりやすい内容、そして思いもよらないラストなど王道ミステリーの
魅力がたくさん詰まっており、まずはこれから読んでみてほしいと思う作品です。
ちなみに以降に紹介する作品の著者の方々にも多大な影響を与えているようで、オマージュなどがよく登場します。
そういった意味でも早めに読んでおくことをおすすめします。
②十角館の殺人 ※シリーズもの
続いては日本を代表するミステリー作家、綾辻行人さんの作品『十角館の殺人』。
こちらも初版1987年ながら、現在でもおすすめミステリーなんかで検索すると、
ほぼ間違いなく候補にあがってくる日本の館ミステリーの代表的な作品です。
ちなみに日本のミステリー界に、ブームを読んだ作品とも言われていて、本作は
『館シリーズ』と呼ばれるシリーズの第一作目です。
物語の舞台は『十角館』と呼ばれる奇妙な形の建物が建つ孤島『角島』。
大学サークルのイベントとして訪れるミステリー研究会の7人。
その島では半年前に殺人事件が起きたばかり。
この展開で当然何も起きないはずはなく、やがて殺人事件が巻き起こる。
一方、事件の舞台となる島の外でも物語は動き始め、半年前の事件と十角館の事件との間に隠された真実が徐々に明らかになっていく・・といった内容。
ミステリーの金字塔と呼ばれることも少なくない本作。
有名作だけあってかなりハードルが上がった状態で読み始めましたが、それでも尚その期待値を超えてくる衝撃の展開に驚かれます。
ミステリーが好きな自分にとっては物語途中の展開一つ一つが伏線に感じられ、引っかからない様にと慎重に読んだつもりでしたが、結果それでも「やられた・・」といった感じでした。
③屍人荘の殺人 ※シリーズもの
続いてご紹介するのは今村昌弘さん作品、『屍人荘の殺人』。
本作は先にご紹介させてもらった二作と異なり、王道の『館』ものミステリーでは
なく、『館』×『探偵』×『特殊設定』が絡み合ったミステリー作品で、意外性、斬新さは
群を抜いています。
王道もの以外も読んでみたい、といった方に特におすすめの作品となっています。
本ブログではたびたび取り上げてさせてもらっている大好きな作品・シリーズで、
詳しくは↓の記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
④紅蓮館の殺人 ※シリーズもの
次にご紹介するのは阿津川辰海さんの作品『紅蓮館の殺人』。
今回ご紹介している作品の中でも初版が2019年とかなり最近の作品で、著者の阿津川さんは“新世代のミステリ作家”とも評されています。
本作は『館』×『探偵』×『極限状況』の組み合わせで、特に『探偵』の部分に魅力が際立っていると感じました。
推理小説好きな高校生男子二人組が、合宿を抜け出してファンである小説家の館を訪問しようとするが、道の途中で偶然にも山火事に遭遇。
助けを求めてようやくたどり着いた小説家の館で今度は殺人事件にも巻き込まれれ、火の手が迫りくる極限状況下、生き延びるために館の謎と事件の真相を同時に追うこととなり・・といった内容。
余談ですが、本作は紙で読んでも面白いですがAudible(オーディオブック)での聴く読書で更に魅力が増す作品だと作品思っています。
そのあたりの詳しい話はぜひ↓の記事をごらんください。
⑤硝子の塔の殺人
次にご紹介するのは知念実希人さん作品『硝子の塔の殺人』です。
「え・・館じゃないじゃん、塔じゃん」って思われるかもしれませんが、実際にはほぼ館みたいなもんで、実際作中でも「硝子館」と呼ばれています。
ある技術の特許によって巨万の富をもつ富豪、神津島太郎。
科学者でありながら、ミステリーマニアでもある彼が建てた奇妙な形をした硝子の塔で、神津島は『ある重大な発表』をする為にミステリーにゆかりのある知人達を集める。
その発表を目前にして事件は起こり・・といった内容。
本作を一言で言い表すなら・・
『ミステリーを数冊読んで、ミステリー沼にはまり始めた頃に読んでほしいミステリー』
本格ミステリーとして秀逸なのはもちろんなのですが、本当にお腹いっぱいになるぐらいにミステリーの醍醐味と呼べる要素が盛りだくさん、館、探偵、密室、クローズドサークル、ダイイングメッセージ、読者への挑戦状、そしてどんでん返し・・など数え上げればきりがありません。
また、過去の著名なミステリーの作品の作中での紹介やオマージュなど本当にミステリーへの深い愛が伝わってくる作品です。
最後に
いかがだったでしょうか?
本記事でご紹介したのは、いずれも読み始めると止まらなくなるような読みごたえのある作品ばかりです。
これから何かミステリーを読んで見ようと考えているけれど、何から読めばいいか迷っている・・という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
ではまた次の記事でお会いしましょう。