【有川ひろ】自衛隊三部作シリーズのあらすじとおすすめの読む順番
有川浩(有川ひろ)自衛隊三部作シリーズとは?
有川ひろ(有川浩)さんのデビュー作『塩の街』を含めた、それぞれの作品ごとに 自衛隊の陸・海・空をモチーフとした作品が、通称『自衛隊三部作』シリーズと 呼ばれています。
どの作品もSF要素と他のテーマを絡めた作品となっていて、印象としては
- 『塩の街』 → SF+恋愛
- 『空の中』 → SF+ミステリー、友情、家族愛
- 『海の底』 → SF+パニック、友情
といった感じです。
自衛隊三部作シリーズ、おすすめの読む順番とあらすじ
初期の作品で、シリーズと呼ばれてはいますがストーリーに直接のつながりはありません。
なので読む順番もあまり気にする必要はなく、どれから読み始めても問題無く楽しめますが、 刊行順 = 作品内の時系列順 とはなっているので、こだわりなく読むなら
『塩の街』→ 『空の中』→ 『海の底』となります。
『塩の街』 あらすじ
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。 塩は着々と街を飲み込み、
『塩の街』 角川文庫 巻末あらすじより引用
社会を崩壊させようとしていた。
その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。
秋庭と真奈。
世界の片隅で生きる二人の前には様々な人が現れ、消えていく。
だが・・「世界とか救ってみたくない?」。
ある日そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。
突如空から降ってきた塩の結晶、それを見るだけで人間も塩の結晶と化す『塩害』によって滅びゆこうとする社会。
そんな中でも変わらない人間の愚かさや尊さを感じる作品です。
『空の中』 あらすじ
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊
『空の中』 角川文庫 巻末あらすじより引用
パイロットは調査のため高空へ飛んだ。
高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。
大人と子供が見つけた二つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる
前代未聞の奇妙な危機とは。
読み始め早々からのスリリングな展開、2組の登場人物達を軸に
描かれる人間ドラマと、人類が巻き込まれる危機・・
読み始めると全く止まれなかった、自衛隊三部作シリーズの中で
最も好きな作品です。おせじ抜きに映画化希望!
個人的には後日談の「仁淀の神様」が追加収録されている文庫版
がおすすめです。
『海の底』 あらすじ
4月。
『海の底』 角川文庫 巻末あらすじより引用
桜祭りで開放された米軍横須賀基地。
停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧騒は悲鳴に変わっていた。
巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている」!
自衛官は救出した子供達と潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。
一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく・・
個人的にかなり衝撃を受けた作品です。
(え?え?これって有川ひろさんの作品?となりました。)
少しグロい表現もあるので、苦手な方は要注意かも・・
でも読み進めていくと、登場人物の心理描写などはやっぱり
有川ひろさんらしい作品だと思いました。
これも映画化されたら面白いだろうなと思った作品です。
最後に
正直、別の有川ひろさんの作品から読み始めた方は、ジャンル・作品の雰囲気的に驚かれる
かもしれません。
以降の有川ひろさんの作品、『阪急電車』、『ストーリー・セラー』
などを読んだ後だと、同じ著者が書かれた作品なの?と衝撃を受けるかも・・
ただ、デビュー初期頃の作品ながら、登場人物の心理描写やセリフなど有川ひろさんらしい
魅力が既に十分詰まった3作品でもあります。
有川ひろさんのルーツとも言えるこのシリーズ、ぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか?